わたし、結婚するんですか?

「前からお前がいいと言っていた式場が、来月、いきなりキャンセルが出たとかって。

 俺の意見も聞かずに、じゃあ、来月でいいですって式場に言ってしまったんだろうが。

 まだ、ご両親にご挨拶もしていないのに」

 そう言い、遥久は渋い顔をする。

 ……いやあの、課長。
 問題なのは、来月、のところではないんですが。

 あのー、私は来月、結婚するんですか?

「あのー、私……

 誰と結婚するんですか?」
と声に出して訊くと、

「俺だろう」
と言われる。

「……やっぱり、頭打ったか?」
と言いながら、遥久は洸の膝の上に上着を投げ、その手で額に触れてきた。

 ひーっ。
 悠木課長が私の額に手をっ。

 意外とあったかいな……

 じゃなくてっ、と緊張して固まっていると、

「どうした。
 大丈夫か?」

 いつも以上におかしいが、と遥久は言ってきた。