わたし、結婚するんですか?

 




 洸のマンションを出た遥久は、振り返り、彼女の部屋に明かりがついているのを確認する。

 さっき自分が、
『まったく、なんで俺のことだけ……』
と言ったとき、洸が申し訳なさそうな顔をしたのに気づいていた。

 洸の部屋の明かりを見上げながら、

「信じたか、洸」
と呟く。

 そのとき、遥久のポケットの中のスマホが音もなく、光って震えた。

 出して見ると、またあの番号からだった。

 すぐに削除しかけてやめる。

 そのまま、夜道を歩いて帰った。

 時折、洸の部屋の明かりを振り返りながら――。