わたし、結婚するんですか?

「あっ、そんなことも知らなかったんですか?
 貴方は、やはり、私のニセの恋人ですねー」
と言ってやると、遥久は、

「……お前、酔ってるだろ」
と横目に見て言ったあとで、

「お前の偽の恋人になって、俺になんのメリットがある?」
と言ってくるので。

 あやうく、ありますよー、と言いそうになってしまった。

 章浩は、お前の旦那になる男なら、引き立てるより、鍛えてやると言っていたが、そんなこと、彼に訊かない限りわからないことだ。

 洸は、そんなことを考えていたが、遥久は顔を近づけ、言ってくる。

「付き合ってても、なんにもさせない女と一緒に居て、どんなメリットが俺にあるのか教えてくれ」

 近い近い近いっ、とすぐ目の前に来た、その綺麗な顔に思わず、びびってしまい、逃げ腰になる。

 だが、そんな洸を見て、遥久は少し笑った。

 あ、また、笑った。
 こんな間近で……。

「どうした?」
と問われ、いえ、別に……と視線をそらして誤魔化した。

 まあ、誤魔化せたかはわからないが。