わたし、結婚するんですか?

 




 二人で歩いて帰っているとき、遥久が言ってきた。

「猫、そろそろ名前、つけたらどうだ?」

 あ、ネコって、名前じゃなかったのか、と思いながら、洸は横を歩く。

 この人のことだから、思いつかなくて、あんな名前にしたのかと思っていた。

「じゃあ、チャトランはどうですか?」

「……なんで、チャトランだ」

「うちのおばあちゃんちに居るんです。
 チャトラって猫が。

 すごい長生きなんですよ。
 だから、それにあやかって、長生きするように、と思って」
と言うと、

「待て。
 その猫は、何故、チャトラなんだ」
と突っ込んで訊いてくる。

「茶トラの猫だからです」

 そうだろうっ? と遥久が言ってくる。

「うちの猫は全然、茶トラじゃないぞっ」

「可愛いところは一緒です」
と言うと、

「なんというざっくりな女だ……」
と遥久は言う。