「じゃあ、気をつけて」
洸たちは一緒にタクシーで帰るという、エリカと章浩を見送った。
エリカが乗ったタクシーの中から遥久を見上げ、
「……洸を幸せにしてね
約束よ」
となにか思うところあるように言っていた。
走り出したタクシーを見ながら、遥久が言ってくる。
「お前はみんなに愛されてるな。
どつきたくなるほど」
どつきたくなる、いらなくないですか……?
と思っていると、ほら、と遥久が手を差し出してくる。
いや、思いっきり会社に近い街中なんで、と照れていると、遥久は強引に手をつないで歩き出した。
「別にいいだろ。
もう結婚するんだし」
と言う遥久に、駅に向かって歩きながら、
「あのー、さっき、結婚しても、みんなに知らせたくないって言ってませんでした?」
と言ってみたのだが、遥久は、
「そこが迷うところなんだ」
と真剣に語ってくる。



