一真にチャペルに案内してもらった母は、
「まあ、素敵」
と言ったあとで、
「ああ、もう一度、私も結婚してみたいわー」
とガラス張りの壁から夜の海を見ながら言い出した。
「ええっ?
お母さんっ。
あれでもお父さんいいところあるのにっ」
と思わず叫ぶと、
「莫迦ね。
結婚式をこういうところで、もう一度してみたいわって意味よ、お父さんと」
と言われた。
そ、そうでしたか、すみません……。
普段の言動を見ていると、とてもそうとは思えなくて、いやいや。
などと心の中で言い訳しつつもホッとしていると、遥久がこちらを見て笑っていた。
そんな遥久を母が観察するように眺めている。



