「でも――」
とまだなにか話している遥久を見ながら、エリカは言ってきた。
「まあ、油断のならない男ね」
どきりとする。
「ところで、あの電話。
イグレシアに繋がってないわよ」
そんな母の発言に、
「盗聴っ?」
と母を見ると、
「……莫迦ね。
何処に盗聴器があるのよ。
そして、初対面のあんたの旦那にいつ仕掛けるのよ。
今、何処からか着信したんじゃない?
さっき、スマホを耳に当てたまま、指先だけでキャッチを取ってたわよ。
今はたぶん、違う誰かと話してる。
きっと、わざと耳から離さずその動作をしたのね。
難しいのに。
電話の相手が変わったのを此処から見ている私たちに知らせたくないんじゃない?
なんで、ずっと佐野さんと話してるフリをしてるのかしらね?」
とまだなにか話している遥久を見ながら、エリカは言ってきた。
「まあ、油断のならない男ね」
どきりとする。
「ところで、あの電話。
イグレシアに繋がってないわよ」
そんな母の発言に、
「盗聴っ?」
と母を見ると、
「……莫迦ね。
何処に盗聴器があるのよ。
そして、初対面のあんたの旦那にいつ仕掛けるのよ。
今、何処からか着信したんじゃない?
さっき、スマホを耳に当てたまま、指先だけでキャッチを取ってたわよ。
今はたぶん、違う誰かと話してる。
きっと、わざと耳から離さずその動作をしたのね。
難しいのに。
電話の相手が変わったのを此処から見ている私たちに知らせたくないんじゃない?
なんで、ずっと佐野さんと話してるフリをしてるのかしらね?」



