「……休みなわけないじゃん」
っていうか、佐野さんが先で、娘の式場はついでなのですか。
いや、一ヶ月前まで、相手を紹介していない私も私なんですが、と思っていると、
「夕方でも大丈夫ですか?」
と遥久はエリカに確認し、
「では、ちょっと佐野さんに連絡しときましょう」
と時計を見ながら立ち上がる。
廊下に出て、イグレシアに電話しているようだった。
まあ、まだ式場には居るだろうな、と思っていると、エリカが遥久の方を見ながら、
「ふーん。
意外なタイプだけど、いい男じゃない」
と言ってくる。
そ、そうですか。
人生経験豊富なお母さんにそう言っていただけると、ちょっと嬉しいような……と思っていると、
「あんた、お父さんには紹介したの?」
と言ってくるので、
「いやー、お母さんと一緒に紹介しようと思ってたんだけど。
なんだか怒濤の展開で」
と言うと、
「そうねえ。
娘は渡さん、とかめんどくさいこと言い出したら、厄介だから、言うときは私に言って。
ついて行ってあげるから」
と仕事の関係で、ほぼ別居状態のこの夫婦は、まるで他人のことを語るかのように言い出す。
っていうか、佐野さんが先で、娘の式場はついでなのですか。
いや、一ヶ月前まで、相手を紹介していない私も私なんですが、と思っていると、
「夕方でも大丈夫ですか?」
と遥久はエリカに確認し、
「では、ちょっと佐野さんに連絡しときましょう」
と時計を見ながら立ち上がる。
廊下に出て、イグレシアに電話しているようだった。
まあ、まだ式場には居るだろうな、と思っていると、エリカが遥久の方を見ながら、
「ふーん。
意外なタイプだけど、いい男じゃない」
と言ってくる。
そ、そうですか。
人生経験豊富なお母さんにそう言っていただけると、ちょっと嬉しいような……と思っていると、
「あんた、お父さんには紹介したの?」
と言ってくるので、
「いやー、お母さんと一緒に紹介しようと思ってたんだけど。
なんだか怒濤の展開で」
と言うと、
「そうねえ。
娘は渡さん、とかめんどくさいこと言い出したら、厄介だから、言うときは私に言って。
ついて行ってあげるから」
と仕事の関係で、ほぼ別居状態のこの夫婦は、まるで他人のことを語るかのように言い出す。



