わたし、結婚するんですか?

「ヘリとかから見えるかもしれないじゃないですかっ」
 
「莫迦か。
 ヘリから覗き見とかしてたら、ぶつかるだろうが」

 そう言いながら遥久は上体を倒さないよう、ソファの上についていた洸の手を払う。

 あっ、と支えを失い、洸はソファの上に倒れた。

 そのまま押さえ込んでくる遥久に、
「重いですっ」
と文句を言うと、遥久は、わかったわかった、と言い、ソファの下に片足をつき、そちらに体重をかけたようだった。

「と、ともかく、此処は嫌ですっ!」
と絶叫してみたが、

 わかったわかった、と言いながら、遥久はキスしてくる。

 いや……なにもわかってないですよねー。

 なに言っても無駄そうだな、と思い、強く両手をつかまれながらも、黙っていると、なにも言ってはいないのに、遥久は一定の間隔を置いて、また、
「わかったわかった」
と言ってきた。

 やっぱり聞いてないですよねーっ! と洸は絶叫する。