わたし、結婚するんですか?

「お疲れさまです。
 あの、今、浜崎、居ませんでした?」

「浜崎? ああ、今、出てったかも」
と顔を上げ、言ってくる。

 だが、彼が見た渡り廊下の方にもその姿は見えなかった。

「浜崎、出張から帰ってたんですね」
と言うと、

「いつの話してんの?」
と三田村は笑う。

「いえ、なんだかあれから、出会えてないので」

「ああ。
 うち、外に出てることも多いからね。

 言っといてあげるよ。
 戻ってきたら、君が、話があるから顔を貸せって言ってたって」
と笑って三田村は言ってくる。

 喧嘩売ってるみたいじゃないですか、と洸は苦笑いして、事業部から出た。