いや、さっき、ふと思ったのだ。
自分と結婚することで、遥久になにかメリットがあるだろうか、と。
葉山が言うように、彼が自分のことなど、本気で相手にするとは思えないからだ。
「結婚とか、なに先の心配してるんだ」
と章浩は言うが、いやいやいや、おにーちゃん、そんな私ももうお年頃なんですよ、と思っていた。
だが、どうやら、この人の頭の中では、私はまだ、駄菓子を欲しがっている子どものままらしい、と思っていると、章浩は、
「心配しなくても、お前の旦那なんぞ優遇しない。
むしろ、鍛え上げてやる」
と言ったあとで、上目遣いにこちらを見、
「……葉山か?」
と訊いてくる。
何故、葉山、と思いながらも、さっきの話を思い出し、どきりとしていた。
章浩は立ち上がり、こちらに来ると、頭をなでなでしてくれる。
「お前は、いとこだが、可愛い妹だ。
休みの日に頑張って、うちの子たちの面倒を見てくれるいい妹だ」
また私に預けて夫婦で遊びに行こうとしているな……。
自分と結婚することで、遥久になにかメリットがあるだろうか、と。
葉山が言うように、彼が自分のことなど、本気で相手にするとは思えないからだ。
「結婚とか、なに先の心配してるんだ」
と章浩は言うが、いやいやいや、おにーちゃん、そんな私ももうお年頃なんですよ、と思っていた。
だが、どうやら、この人の頭の中では、私はまだ、駄菓子を欲しがっている子どものままらしい、と思っていると、章浩は、
「心配しなくても、お前の旦那なんぞ優遇しない。
むしろ、鍛え上げてやる」
と言ったあとで、上目遣いにこちらを見、
「……葉山か?」
と訊いてくる。
何故、葉山、と思いながらも、さっきの話を思い出し、どきりとしていた。
章浩は立ち上がり、こちらに来ると、頭をなでなでしてくれる。
「お前は、いとこだが、可愛い妹だ。
休みの日に頑張って、うちの子たちの面倒を見てくれるいい妹だ」
また私に預けて夫婦で遊びに行こうとしているな……。



