わたし、結婚するんですか?

「いや、昼休みに、三階から落ちたらしいのよ」
と言うと、

「……よく無事だったな」
と呆れられる。

 いや、まず、心配して、と思いながら、
「それで、悠木課長が助けてくれたみたいなの」
と言うと、葉山は何故か、渋い顔をした。

「よく都合よく通りかかったもんだな」
と言うその顔を見ながら、

「なんだか私が助かっちゃ悪いみたいな言い草ね」
と言うと、

「そうじゃねえよ……」
と言うが、機嫌は悪かった。

「まあ、どうでもいいけど。
 お袋さん帰ってきたら教えろよ。

 お前、俺を恋人だって、お袋さんに紹介してくれるって言ったろう」

 ……は?

 紹介って。

 仕事の関係じゃなかったの? と思う。

 洸の母親はちょっと有名な家具のデザイナーだからだ。

 洸が固まっていると、葉山はまた溜息をつき、
「それも記憶喪失か。
 それとも、酔っ払いの戯言だったのか?」
と言ってきた。