高校生陰陽道家の正樹(まさき)君に学んだ事を、例の会議室でレポートに書き起こしながら、三竹が視線を合わさない様に気づかって、同時に(できる男はさすがだ)私の聞き役もこなそうとしてくれた。

「社長の愛文鳥達に逢わせてもらったんだって」
パイド文鳥♂とシルバーイノ文鳥♀の、成鳥の愛くるしさ、格別だったろう?

明るく聞いてくる三竹に、私は罪悪感に襲われた。

「艶やかなパイドと白文鳥の夫婦とシルバーと「ぷりずむ」なシルバーイノの夫婦でした」と文鳥達のカラーの事を話してみた。罪悪感どころか、平気に喋れたので、なんてヤツと自分を罵りながら…

頭をコリコリ書きながら、三竹はノートパソコンと格闘してる。

前の時もそうだったけど、二人ぼっちで、この会議室は「愛くるしい」体験の場であり、胸の鼓動がはやるのを、必死で隠す。

三竹はレポートが一段落する度に、私を見てくれる。

私はその胸におさまりたい衝動を堪えた。