シンデレラの魔法は解けない





わざとらしく平さんに身を寄せる。

平さんは、そんなあたしの背にそっと手を回してくれて、こんな時なのにドキンとした。





「二人ともお幸せにね。

もう、平さんとあたしの邪魔、しないでね」





優越感に浸っていた。

死ぬほど悔しそうな麻友の顔に、空っぽの武雄の顔を見て、心の中でピースサインをしていた。