シンデレラの魔法は解けない






少しだけ自信を持った時、



「藍!」



あたしを呼ぶ声が聞こえた。

名前を呼ばれた瞬間、飛び上がりそうになる。

そんなあたしを宥めるかのように、平さんはそっと肩を抱く。

その腕に抱かれて、身体がぶつかって、さらに胸が甘い音を立てる。

平さんはいけない、あたしの気持ちを分かっていてわざとやっているのだろうか。