そんなあたしに平さんは気付いているのだろう。 「藍ちゃん、大丈夫だよ」 その心地よい声に、少しだけ震えが治った。 「藍ちゃんは、今日一日俺を好きでいてくれたらいいんだ」 今日一日しか駄目ですか? そんな言葉が出かかった。 今日一日だけなんて、酷すぎる。 あたしの心はもう、平さんのものだから。 平さんを離さないように、繋ぐ手に力を入れる。 平さんも少し強く握り返してくれて……泣きそうになった。 こんなに惹かれているのに、今日で終わりなんだ。 今日一日、あたしはシンデレラになるだけだ。