平さんは、予想通りあたしをluceに連れていった。
そこで出てきた菅井さんに、ヘアメイクをしてもらう。
菅井さんはやっぱり凄腕で、あれよあれよという間にあたしはお姫様に変身していった。
……そう、さっきまでの疲れきったあたしとは思えないほど華やかで、女性らしくて、そして可愛いのだ。
「髪型とメイクだけで、こんなにも変わるんですね」
舌を巻くあたしに、
「ま、僕はプロの中のプロだからね」
菅井さんは得意げに言う。
そんな菅井さんに、
「さすがです、菅井さん。
その計算され尽くされた髪型、菅井さんらしいですね」
嬉しそうに平さんが言った。
そして、やっぱりその笑顔にきゅんとした。



