「そこまでにしてくれませんか?」 あたしの大好きな声が聞こえる。 その声を聞くだけで、胸がきゅんきゅん甘い音を立てる。 武雄と麻友なんてどうでもよくなり、恐怖だってなくなってしまう。 平さんは相変わらず素敵な服を着て、落ち着いた表情で武雄と麻友を見ている。 そして、地面にしゃがみ込んでいる男性が平さんを見て、顔を歪めていた。 何を隠そうこの男性、あの結婚式の日に平さんに手を挙げた人物だ。 そして、あっさりと平さんにやられてしまった。 「俺の大切な彼女に、これ以上関わらないでください」