幸せいっぱいのあたしは……
ドカッ……
衝撃と鈍い音とともに、後頭部に痛みを感じた。
思わずうずくまるあたしの横で、新たな打撃音が聞こえる。
だが……
「痛ぇな!!」
原さんが低い声で言葉を発した。
「あんたたち、そんなんであたしが怯むとでも思ったわけ?」
驚いて顔を上げると、原さんの前に一人の男性がうずくまっていて。
その奥に、怯えたように目を見開いた知っている男性が立っていた。
彼らに向かって、原さんはなおも告げる。
「女性二人だから、簡単にやれると思ったんでしょ?
だけど残念でした。
あたし、強いから」
原さんは手をひらひらさせる。
それで、倒れている男性は、原さんにやられたんだと悟った。
原さんは本当に強い。
男にも勝ってしまうんだ。
そんな原さんがかっこいいと思った。
それに比べてあたしは無力だ。



