暗くて細い道に、あたしたちの足音が響く。 「あんなにサイテー男だった慶太が、あんたのことは大切にしてるんだよ。 だから、慶太をよろしくね」 その言葉が胸に沁みる。 原さんの言葉が、素直に嬉しかった。 平さんに大切にされてすごく嬉しい。 それに……平さんはあたしを好きだと言ってくれたんだ。 頰を染め、幸せな気分に浸るあたし。 平さんのことを考えるだけで、胸が甘くときめいた。 また、今日も平さんの家に帰れるのが嬉しい。 平さんの笑顔を見たい。