資料を拾うとか、そんなことではない。

あたしは、平さんの気持ちを楽にさせてあげたい。

だけど、素敵な平さんはなんだって一人でできるし……





そんなことを考えているあたしに、



「藍ちゃんは俺と一緒にいてくれるだけでいいんだよ」



平さんはぽつりと言う。



「藍ちゃんだけなんだ。

俺のみっともないところを見ても、幻滅しなかった女の子って」




あたしは、平さんの話に聴き入っていた。