「昨日はごめん」




平さんはあたしに告げる。




「俺は藍ちゃんを悲しませたくないのに、言いすぎてしまった」





なんでそんなことを言うの？

謝らないといけないのは、あたしのほうなのに。

あたしの未熟な行いに、平さんが怒っただけなのに。





「あたしこそごめんなさい……」




謝りながら、泣きそうになった。

いろんな感情が入り乱れて。

そんなあたしに歩み寄り、平さんはそっと頭を撫でる。

この大きくて優しい手が好きだ。

ずっとこの手に撫でられていたい。