翌朝……







キッチンから聞こえる物音で目を覚ました。

明るい光が瞳に降り注ぎ、甘くて美味しい匂いもする。





慌てて飛び起きたあたしに、



「藍ちゃん、おはよう」



寝室の扉を開けて平さんが言う。

平さんはいつも通りの優しい平さんだったが……

彼を見た瞬間、昨日の出来事を思い出した。




あたしは平さんに心配をかけ、怒らせた。

昨日の平さんは冷たくて怖くて、そしてあたしの胸を締め付けた。

思い出すだけで気分が沈み、平さんを見て不安に思ったが……