二人が消えた部屋を、マンションの外から呆然と見ていた。
まさかと思う気持ちと、やっぱりと思う気持ちが入り乱れる。
あたしは、混乱したまま突っ立っていた。
もしかしたら、すぐに出てくるかもしれない。
本当に仕事かもしれない。
その僅かな望みに賭けてしまって、まるで金縛りに遭ったように動けなくなる。
その間にも時間は飛ぶように過ぎ、辺りは完全に闇に包まれ、さらに寒くなった風があたしを襲った。
ふと腕時計を見ると、ここへ来て四十五分が経過していた。
あたしは四十五分間も、ここで立っていたのか。
愕然とした。
そして、帰ろうとマンションに背を向けた時……
また、あの気配を感じたのだ。



