再び黙るあたしに、彼は聞く。
「お前、平がいい男じゃなくてもいいのかよ。
元ヤンでもいいのかよ」
「はい……だって平さん、あたしには今まで通りに接してくれますから」
「へーぇ」
その、興味津々の視線が痛い。
平さんといるのはあんなに楽しいのに、この男性は苦手だ。
はやく家に帰って一人になりたい。
「でもな、あいついい人ぶってるけど、すげー怖いぞ」
「そうなんですか？」
思わず聞いてしまった。
平さんがすげー怖い。
あたしはそんなこと全く思わない。
「元ヤンだからですか？」
思わず聞いたあたしは、口を押さえた。
