シンデレラの魔法は解けない









そして、仕事後……







「お前だろ、平の彼女」




あたしをそう呼んだのは、どこか見覚えのある男性だった。

スウェットこそ着ていないが、いかついトレーナーにジーンズを穿いている。

そして、ぎろりとあたしを睨んだ。

あの日、平さんと一緒にいた男性だ。

あまり積極的には関わりたくないタイプだが、平さんの友達だから仕方がない。




「すみません、ご迷惑をおかけして」




頭を下げるあたしを、彼は鼻で笑った。