がちゃりと脱衣所が開き、
「藍ちゃん、お待たせ」
いつも通りの笑顔の平さんが出てくる。
あたしが着ているのと同じようなロンTに、スウェット。
濡れた髪をタオルで拭いていた。
そんな平さんがセクシーで、思わず顔を背ける。
真っ赤な顔で照れながらも、やっぱり原あかりのことが気になってしまった。
そんなあたしに近付く平さん。
あたしの隣に腰を下ろし、ふわっと高級ボディーソープの香りが漂った。
例外なく、胸がドキドキする。
甘く切ない音を立てる。
平さんは菅井さんにカラーとパーマをしてもらったあたしの髪に、そっと触れる。
そして、甘く心地よい声で告げる。
「藍ちゃんの髪は綺麗だね」
その言葉に、頭から足の先まで真っ赤になってしまう。
「菅井さんのおかげですよ」
苦し紛れにそう吐くあたしに、
「確かに菅井さんが担当してくれたよね」
平さんは言う。



