平さんはずっとこの写真に見入っていたのだ。
嫌な想像が想像を呼んだ。
平さんの好きな女性って……まさかの原あかり?
それが本当なら、あたしが勝てるはずもない。
写真の中の原あかりは、まるでお姫様だった。
様々なドレスに身を包み、非の打ち所がない綺麗な顔でこっちを見て笑っている。
ページをめくろうとしたその資料から、ひらりと紙切れが落ちた。
そこには、女性らしい丁寧な字でこう書かれていた。
『慶太へ
慶太のおかげで、ドレスのプロデュースも成功しそうだよ。ありがとう。
今度ご飯行こうね。
あかりより』



