シンデレラの魔法は解けない









ご飯を食べて、言われるままにお風呂に入り、身体を洗う。

さすが素敵な平さんだけあって、シャンプーやボディーソープもハイブランド品だった。

高級なシャンプーの香りに包まれ、平さんは凡人ではないことを思い知る。

稀にスウェットなんか着ていたりするが、やっぱりお洒落でハイグレードな男性だ。

そんな平さんはあたしに、無理しなくてもいいなんて言うけど……

平さんと釣り合う女性になりたいなんて思ってしまう。

高級なシャンプーの香りに混ざり、少しだけ平さんの香りのする浴槽に浸かりながら、あたしは色んな思いを巡らせていた。