シンデレラの魔法は解けない








平さんはすぐに駆けつけてくれた。

その頃にはあたしも落ち着き、あたしを追っていた人物の気配もなくなっていた。

それでも、あたしは恐怖に震え、ひたすら携帯を握って平さんの到着を待っていた。






「藍ちゃん!!」




道路にしゃがみ込んでいるあたしに、平さんが駆け寄る。




「どうしたの?

藍ちゃん、大丈夫?」




平さんはあたしの身体を優しく抱きとめ、背中をさすってくれる。




平さんの声を聞くとホッとした。

平さんに触れると涙すら出そうになった。