シンデレラの魔法は解けない









街灯に照らされた住宅街を小走りで通り抜ける。

考え出したらきりがないが……

背後に人の気配を感じた。

その度に振り返るが、やっぱり誰もいなくて。

それを繰り返すたびに恐怖がこみ上げてきて、とうとう全力で駆け出した。




街に響くあたしの足音に重なって、もう一つの足音も確かに聞こえる。

走りながら振り返り、誰もいないことを確認し、また走ろうと前を向く。

だが、足がもつれたあたしはバランスを崩して、無様にその場に倒れこんだ。