思わず見惚れてしまったあたしに、
「あの……」
彼は再び言葉を発する。
「それってもしかして……」
男性はあたしのクリアファイルを指差していて、
「今ここで拾ったんです!」
あたしは素敵男性にクリアファイルを差し出していた。
素敵服の資料は、この素敵男性のものだったんだ。
この男性、やっぱりアパレル業界の人か。
深く納得してしまった。
「ありがとうございます。
それ、すごく大切なものだったので」
男性はにっこり笑い、あたしはその素敵笑顔に見惚れてしまった。
一瞬だが、麻友と武雄のことなんて忘れていた。



