シンデレラの魔法は解けない






あたしたちの間に、沈黙が訪れた。平

さんはノンアルコールビールを少し飲み、あたしは俯いていた。

あたしの気持ち、平さんには伝わらないのだろうか。

あたしの存在が、さらに平さんを追い詰めているのだろうか。





「藍ちゃんは、俺がいい男じゃなくて引かないの?」




平さんは静かに聞く。

その問いに、大きく頷いた。




「全然引きません!

むしろ、平さんのことを知れて嬉しいです」




平さんは驚いたようにあたしを見る。




「あたしはもっと、平さんのことを知りたいです。

平さんが落ち着ける場所になりたいです」