どう言う意味だろう。 まさか、いきなりふられるとかないよね? あたしはすごい顔をしていたのだろう。 平さんは面白そうにあたしを見て笑う。 「そんな顔しなくてもいいよ。 きっと、悪いことじゃないから」 その言葉にホッとするあたしの手を、平さんはいきなり握る。 その大きくて優しい手に胸の高鳴りが止まらない。 平さんはずるい、あたしに気持ちがないくせに、こうもあたしを虜にさせるのだから。