シンデレラの魔法は解けない






声のするほうを見ると、そこには笑顔の平さんが立っていた。

昨日のあのヤンキースタイルが嘘のように、今日も素敵男性だった。

きちんと整えられた髪。

秋素材のジャケットに、細身のパンツ。

さりげなく光るアクセサリー。

やっぱりセンスが良くて、お洒落で。

あたしも出来る限りのお洒落をしたのに、平さんを前にすると恥ずかしいほどだ。





真っ赤な顔のあたしに、



「急に呼んでごめんね」



平さんは申し訳なさそうに告げる。




「どうしても藍ちゃんに会っておかないといけないと思って」