【完】こちら王宮学園ロイヤル部




年が明けたあたり、それこそ色々と解決したおかげか、南々瀬は前よりも無防備になった。

……というのも、何か隠さないといけない、というプレッシャーから逃れたからだろう。



深く考えずに返事してくることもあるし、その場限りの感情で甘えてくることだってある。

いい意味で感情を出せるようになった分、前はしなかったミスも増えた。



「え、うそ……

っていうかこの間朝起きたらベッドに入った記憶なかったんだけど、もしかしてそれ……?」



「ああ、起こしても起きなかったから自室に運んだ」



「……ええ。ごめんね、ありがとう」



前は"ごめん"ばかりだった言葉も、すこしずつ改善してきてる。

たぶん本人は、自覚してないんだろうけど。



もう焦ることなんて何もない。

やっと手に入ったんだから。




「……あのね。

楽しかったら、いっしょに行きたいの」



「、」



「ハワイは一緒に行ったけど……

この先は、いろんなとこ、一緒に行きたいから」



だから下見したくて調べてたの、と。

微笑む南々瀬は、俺がどれだけその言葉に安心するのかわかってない。……わかってると言われても、見透かされているみたいで困るけどな。



「……ああ。行こうか」



うれしそうに笑うその表情が、幼い頃の南々瀬とかぶって見える。

抱きしめて髪を撫でてやれば、名残惜しそうに俺のシャツを掴んだ南々瀬。



視線を絡めて引き寄せると、

察したようにまぶたを閉じる姿すら、愛おしい。