らしくない口調に、そう言えば彼も色々気にしてたのかな……と溶かされていく思考で考える。
だって一緒に寝ようって言ってきたし、髪乾かしてくれたし、はやく寝ようって言い出したし。
「……ふふ」
「なに笑ってんだよ。
……ほら、キスしてやるからもう目閉じてろって」
「はぁい」
だって。
いつみ先輩のこんな姿、わたしだけが独占できるんでしょう?
「つらくないか?」
子どもはもう眠るような時間。
彼の愛を囁くような声に「うん」と返す。
どこまでもわたしのことを気遣ってくれるから。
腕を伸ばしてその身に委ねれば、彼が不意に見せる表情に、どうしようもなく惹かれる。情けないくらいに。
「っ……いつみ、」
境界なんてとっくにわからなくなって。
ただただ愛しい衝動だけにすべて任せて。
「南々瀬、」
「ん…っ……、好き、」
ぽろぽろとこぼれる涙を、彼が指で掬ってくれる。
好きの言葉に同じ言葉以上のものを、返してくれるから。
耳元に触れた「愛してる」の一言に。
どんな瞬間よりも、しあわせだと思った。



