その他の俳優さんたちの、ポージングやら表情やらを真剣に勉強している。

……から、邪魔しない方がいいかな、と。



「……逆に気散るって。こっち来て」



「でも夕陽、

雑誌読んでるとき邪魔されたくないでしょ?」



「その雑誌読んでる俺に声掛けてきたの誰?」



わたしだけども。

忘れないうちに聞いておきたかったんだもの。



「いいからはやくこっち来て。

ナナ相手だと気遣わなくていいから雑誌読んでんのに、ナナが気遣ってたらなんも意味無いじゃん」



……どう反応していいのかわからない。

気をゆるしてくれてるって思えばいいのかもしれないけど、気を遣わないって。しかもわたし相手だから、構うとかじゃないんだ。




「……それとも俺が声掛けないから、

さみしくて声掛けようと色々探ってた?」



「……ごめん全然そんなこと思ってなかった。

名前のこと聞くまで夕飯のメニュー考えてた」



「ちょっと待って何それ俺がイタいんだけど。

しかも……普通彼氏の家遊びに来て夕飯のメニュー考える?信じらんない」



「……だって夕陽だし」



気遣わなくていいでしょ?と。

さっき彼に言われたのと同じ言葉をかえせば、夕陽は何か言いたげな顔をして。



「……ちょっとぐらい、

俺のこと気にしてくれたっていいじゃん」



そばに腰を下ろせば、拗ねたようにつぶやいた。