「あー、あいつらな。

……見事に知り合いばっかりじゃねーか」



「やりやすくていいでしょ?」



「やりやすいっつーか、無法地帯だろ」



うん、その意見はよくわかるけれども。

ロイヤル部もなかなかの無法地帯だったわよ、とは言わなくていいんだろう。



「つーか、あいつ……夕陽の方。

芸能科だし忙しくね?しかも生徒会入れるほどあいつ成績良くなかっただろ。夕帆がよく嘆いてた」



「仕事なら、大丈夫みたいよ」



もともと彼は、学校に通いながら芸能活動する予定だった。

というのも、彼が所属しているアイドルグループ『Fate7』は、夕陽をふくめる4人が現役高校生。




そして残りの3人が成人メンバー。

つまり王学に入っていないほかの高校生メンバーのことを考慮して、活動は平日の午後や土日。



しかも夕陽の場合は生徒会に入ることで授業も免除されるから、そこまで苦痛ではないと思う。

ちなみに入学式まで生徒会役員になってることは本人に伝えられないから、夕陽も呉羽くんもまだ知らない。



「学力は?」



「それ昔の話でしょ?

夕陽、中学のとき頑張って勉強してたわよ」



「……あいつが?」



「……わたしと同じ高校行きたかったんだって」



まあ一緒に通えたとしても1年だけど。

何なら一緒の高校どころか留学しちゃったけど。