【おまけ】
あえて糖分控えめにしたホットケーキと、ベーコンエッグと、スープとサラダに、フルーツ。
もちろんスープとサラダは昨夜とは別のもの。
ホットケーキに何も乗せていないのは、わざとだ。ベーコンエッグを乗せて食べるのか、バターとメープルシロップを乗せるのか。
弟妹たちが甘いもの好きで、おやつに色々使えるようにホイップは常備してあるし。
フルーツまで乗せて豪華なものにするのか、それは彼女の好みにお任せしようと思う。
笑顔を見せてくれるなら、それで充分だ。
「南々ちゃん、起きて~。朝飯できたよ」
部屋に行けばすこし遅くまで付き合わせてしまったせいで、まだ深く眠っている彼女。
梳くように髪を撫でて声を掛ければ、そろりと持ち上がった瞳。
「おはよ……、
わざわざ朝ごはんつくってくれたの……?」
ふぁ、と口元を押さえてあくびする無防備な姿に、頬がゆるんだ。
はらりと頬を撫でて落ちた髪を指で掻き上げる姿が艶やかで、最近また綺麗になった?と頭の中で思う。
「はやく、目覚めたからねえ。
寝顔見つめてるのもいいけど、南々ちゃんよろこばせて笑顔見たいなと思って~」
「ふふ……うれしい。ありがと」
もぞもぞと起き上がる彼女が着ているのは、昨日の夜俺が風呂上がりに着てたスウェットの上。
風邪ひくからと寝る前に貸したものだけど、だぼっとしてしまうそのゆるさに、また笑みが深まった。
「下で待ってるから。
着替えて準備終わったら、来て?」
「うん、はやく済ませて行く」
じゃあね、と。
部屋を出て階段をおりながら、頭の中で考えることはひとつ。
うん、やっぱり。
はやく俺のお嫁さんにしてしまおう。……そのときはちゃんと、俺からのプロポーズで。