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「いっぱい買っちゃいましたね」
「セールって罪よね」
「ですよねー」
今日も金髪碧眼の美女。
誰もが思わず振り返ってしまうほどの美貌の中身が実は男だと知ったらおどろく人は多いんだろうな、なんて思いながら。
「あたしがいくつか持ってあげようか?」
先輩のその問いかけに、首を横に振った。
ショッピングモールでセールをしているから買い物に行こうと昨夜連絡してきたのは夕帆先輩で。
予定通りセールをお目当に、いっしょにショッピングモールに行ったのだけれど。
服に下着にコスメに……と。
さすがにすこし買い込みすぎたかもしれない。
なにより。
夕帆先輩と一緒に居られる時間が楽しくて、ついつい浮かれてしまった。
「今日の買い物だけで、
かなりの日数過ごせそうですよね」
わさわさと、手に持った袋が揺れる。
……しまった。せめて大きい袋の中に小さい袋を詰め込むとかすればよかった。
紙袋はまだしも、小さくできるビニール袋は中に入れちゃえば邪魔にならない。
ちらりと、先輩を横目で盗み見れば。
同じくらいたくさんのショップ袋を持っている割に、なんだかスマートな先輩の姿。
……おかしいな。なんの差なんだろう、これ。
おしゃれな人ってもしかして買い物もスマートなんだろうか、と。
どうにもならないことを、頭の中で考えていれば。