「お前のモチーフなら、もう決まってる」



「え」



「……俺が独断と偏見で決めた」



独断と偏見って……いや、いつみ先輩なら変なものは用意しないだろうから大丈夫だろうけど。

一体何になったんだろうか。



別に欲しかったわけじゃないんだけど、あると言われたら気になる。

それはほかのみんなも同じらしく、先輩に答えを求めるように見たのだけれど。



「卒業式が終わってから、な」



「え、それじゃああたし見れないじゃない」




どうやら今は見せてもらえないらしい。

……しかも先輩が卒業してからだと、ロイヤル部が廃部になるまで2週間もないんですけど。



ええ……

来年生徒会役員にしてもらえるなら残してもらおうかな。なれなかったとしても、どうにかして残してもらえるように理事長にお願いしよう。



「じゃあ、夕帆先輩にはあとで写真送りますね」



「ん。待ってる」



ロイヤル部の箔押しはもう塗りつぶされちゃったし。

何度見ても経費を使い間違えているとしか思えなかったけど、なんだかんだ見れなくなると思うと寂しい。



「……姫、」



自分で言うのは恥ずかしいけど。

なんだかんだ、そう呼ばれるのは嫌いじゃなかった。