「よし、気合い入れて頑張るか〜。
卒業式近づいてきたら、それの仕事もしなきゃなんねえな〜」
「そうだねぇ。
いつみと夕帆のお祝いも、するんでしょ?」
「受かればの話だけどな。
つーかあいつら大学の志望校同じとか、どんだけ仲良いんだっての」
「ふたりとも、ものすごく否定してますけどね」
「夕帆先輩って、将来いつみ先輩の秘書みたいなポジションで働くんでしょう?
きっと一生切っても切れない関係だと思うわよ」
夕帆先輩は、珠王を支えるために弁護士になろうかとも考えていたらしいのだけれど。
弁護士になるなら大学に通ったあと、さらに法科大学院に通うことなんかも考えて、結局そっちの道はやめたみたいだ。
珠王にはすでに、優秀な弁護士もいるとかで。
夕帆先輩はいつみ先輩とより話を理解し合えるように、彼と同じ医学部志望。……それも本当に、大変だとは思うけれど。
「いっちゃんはともかく、夕さん結婚どうすんだろうな〜。
養うどころかいくみさんに養われる側になりそうじゃねえの」
「ああ、なんか……
とりあえず大学卒業したら結婚するって話してるらしいわよ。いくみさんは早く結婚したいみたいだけど」
「……お前いくみさんと仲良いよな」
「いくみさんが"未来の妹だから"って可愛がってくれるの。
今度一緒にお出掛けする約束もしてて、」
言えばみんな、「ああ……」と言いたげな顔。
未来の姉妹だなんてずいぶんが気が早いけれど、お互いに上手くいけば良いなとは思っているわけで。
「いくみさんといつみ先輩だけでもすごいのに、
そこに夕さんと南々先輩まで"家族"になるんですから、本当にとんでもない美形のエリート一家になりそうですよね」
ルノのしみじみとつぶやく声に、
みんなで思わず顔を見合わせて、笑った。