文化祭が終われば、今度は体育祭。

だけど王学はその前に、定期テストが待っている。ほかの学校だと体育祭が先に行われることが多いみたいだけど、王学には例の"点数"がある。



体育祭にその優勝を賭けた勝負をするから、最後に点数を稼ぐことのできるテストでは、みんな気合が入ってる。

というのもそれは一般生徒だけで。



「……鬼畜だよねえ」



テスト期間にテスト勉強できずに体育祭の仕事に追われているロイヤル部。

椛なんてスマホでともだちと先生に協力してもらって撮影している授業の動画をイヤホンで聴き流しながら、パソコンで仕事していた。



その地獄のテスト期間を終えて一息ついていたのだけれど、残念ながら仕事がまだ残っている。

というわけでテストが終わって生徒たちが帰宅する中、わたしたちはC棟に籠もりきりだ。



「そういえば……

どうして体育祭で優勝決めるんですか?3月とかじゃだめなんですかね」



学年末は3月だし。

4月からはじめる点数制なら、3月でもいいと思うんだけど……と。わたしの頭の中の疑問は。




「3年生が受験シーズンに入るからですよ」



くすりと笑って教えてくれたルノの発言によって、解決する。

……そうか。もう夏のあたりで既に進路が決定している先輩もいるけれど、本格的に受験がはじまるからか。



ということは。

いつみ先輩と夕帆先輩は当然だけど、来年の4月からここにいない。



「でもまあ、いつみ先輩と夕さんなので心配はいらないですよね。落ちると思いませんし」



うん、わたしもそんな気がする。

というか絶対落ちないと思う。一応心配でハラハラとはするけど、おそらくその頃わたしはここにいないだろうし。



「そういえばお前、アレどっちで提出した?」



ふつふつ考えていたら、莉央が口を開く。

彼の視線がわたしに向いているから、どうやらわたしに聞いているらしい。