「ラブラブな時間は邪魔できないよねー……」



「違うそういうことじゃない」



確かに一緒に回るけれど。

別に深い意味があるわけじゃなくて。実行委員でなおかつ本部の腕章をつけている全員が一斉に休憩に入るわけにはいかないから、ロイヤル部は順番に休憩に入る。



その休憩時間を割り当てた時、偶然先輩と一緒の時間になった。

それを見たいつみ先輩から、「なら一緒に回るか?」と誘われたからうなずいただけだ。



休憩って言っても見回りを兼ねてるし、楽しむ分には普通科がグラウンドに出してる食べ物の店だけで、あとはうろうろするぐらい。

1時間しかないから、ゆっくりもしてられないし。



「いつみとななせは、ラブラブなの?」



「……違うから洗脳されないで、ルア」




後ろからわたしの肩に顎を乗せてきたルア。

少々彼はスキンシップが多いのだけれど、下手したら勘違いされそうだ。……というかよく考えれば、みんなわたしにスキンシップ過剰だし。



「でも結構噂になってるよ?

南々瀬と珠王先輩が付き合ってるって」



「え、」



「っていうか、そうじゃなきゃロイヤル部に引き入れたりしないでしょ?ってみんな言ってるし」



なにそれ初耳なんだけど。

先輩とは付き合ってるわけじゃないし、まあ、両想いなのは確かなんだけど。先輩には言ってないから、もちろん彼は知らないし。



「って、のんきに立ち話してる場合じゃなかった……!

わたしも準備行かなきゃ……!南々瀬休憩時間にクレープ買いに来てよー!?」



「あ、うん、行くわね」