【完】こちら王宮学園ロイヤル部




……十分仲良いじゃないか。

というかいつみ先輩にそれをプレゼントされた時の、いくみさんの喜ぶ姿が目に浮かぶ。きっと満面の笑みで彼に抱きついていたんだろう。



「なんだかんだ嫌いじゃないですよね」



「本気で嫌いだったら口も利かねえよ」



「うわ出た、いつみの稀ないくみへのデレ。

あたしが何しても、いつみのデレにだけは勝てないのよね〜。いくみのブラコンは重症だから」



「お前はさっさとアレを何とかしろ」



「とか言って、好きなくせに。

いくみが酔っ払って帰ってきたときとか介抱してあげてたんでしょ?」



「……中学生に介抱させるダメ女だぞ」




そう言いながらも、いつみ先輩は優しいから。

介抱させられてると言いつつも、放ってはおかないんだろう。……だからきっと。



「……いつみ先輩って元カノとかいるんですか」



「あ? いねえよ」



「……へえ」



女の人にも、優しいんだと思う。

わたしのことを好きだと言ってくれるけど、ほかの綺麗な女の人に迫られたりしたら、相手に嫌な気持ちは絶対にさせないような人だ。



「なんだよ急に」



……それで勝手に落ち込むなんて、間違ってる。

わたしは彼女でも何でもなくて、ただ先輩のことが好きなだけだから。それに何か言うのは間違ってるんだけど。