「ど? いける?」
「……美味しい」
椛が個人的に追加したという一口ハンバーグ。
美味しくないわけがないとは思っていたけど案の定食べてみたら美味しくて、それを聞いた椛は「それならよかった」と頰を緩めた。
「それにしてもチーズフォンデュって、女子力高いわね。
南々瀬ちゃんがいるからやるけど、男だけだったら絶対にやらないわ」
「ウチはかわいい弟と妹がいるから、こういうの結構好きでやるんだよ〜。
こないだは家でたこパしたんだよねえ」
「……好きでやるっていうよりかは、
それお前が喜ばせたいからやってるだけじゃねーの?」
莉央に言われて、「そうそう」と笑っている彼。
……いまにはじまったことじゃないけど、彼は良いお兄ちゃんだ。
「夕帆先輩と夕陽は、
そういう仲良しエピソードみたいなのないんですか?」
「あたしんとこは昔から仲悪いもの」
「とか言ってるけど〜。
王学の芸能科入るように言ったり、家に夕陽が来たら飯連れて行ったりしてやってんだろ〜?」
……うん、それは仲良いと思う。
いや、仲が良いというよりは彼にも何かしら兄としてのプライドがあるのかもしれないけど。
「ルノとルアは仲良いし……
いつみ先輩は、いくみさんとの仲良しエピソードとかないんですか?」
「あ?
アレはあいつが一方的に俺に絡んでるだけだろ」
「でもいくみさんの腕時計は、
いつみ先輩からの誕生日プレゼントなんですよ」



