でもまあまだ3人回しただけだし。
みんなでわいわい話しながら遊ぶのは楽しいし。
「次、椛回し……っ、」
2巡目に入ったから、今度は椛に回してもらおうと。
軽率に顔をそっちへ向けた瞬間、彼が肩に顎を乗せていたせいで、吐息が触れてしまいそうなくらい距離が近い。
思わずドキッとして顔をそむけると、椛はくすっと笑って「じゃあ俺回す〜」とルーレットに指をかける。わたしの気も知らずに呑気だ。
……金曜日はお化粧してもらったわたしのこと見てあんなに照れてたくせに。
「職業マスだって〜。しかも先生」
「あら、椛にぴったり」
思わず顔が赤いことも忘れて言えば、彼は"ぴったり"と言ったのが嬉しかったのか、いつもとは違うやわらかい表情で笑ってくれる。
それを見て、本当に先生に向いてるな、と思った。
「なんかイチャイチャしすぎじゃないですか?
椛先輩はやく昼食の準備入ってください」
「うわあ、すげえ嫌味な後輩じゃねえの。
やだね。こんなタイミング逃すわけねえだろ〜?」
そう言った椛の腕が、わたしを抱くように背中に回された。
その途端むっと顔をしかめるのはルノで、その手を振り払いながらちらりといつみ先輩を見れば、彼は何も言わないけど不機嫌そうなオーラを放っているし。
「あんたたち、ゲームひとつで揉めないの」
夕帆先輩の一声で、ゲームが進む。
その後お金を払ったりもらったり。職業がランクアップしたり。はたまた、結婚したり子どもが生まれたり。
「お。1位じゃねえのおめでと〜」
椛が途中でお昼を作るために離脱してしまったけど、結果としてはわたしが1位になった。
一時は盛り上がりに欠けるかと思ったものの、ひさしぶりにやってみたらなんだかんだ楽しかったし。……それに。



