似合うんじゃねーの?って言ってくれる莉央。
「あ、ありがと……」とお礼を言っている間に椛のことを引き離してくれて、ようやく呼吸を落ち着けた。……よかった、莉央がきてくれて。
「遅ぇなって思ったら、化粧してもらってたのか」
「あ、もしかして姫川さん急いでた!?」
「ううん、大丈夫」
「それならいいんだけど……
お迎え来てくれたってことは行かなきゃだよね!先輩たちにもぜひ見せてきて!」
今度どうだったのか報告聞くから!と。
そう言った彼女たちは広げていた道具をぱぱっと片付けると、あっという間に帰っていってしまった。……えええ。報告って。
っていうか、帰っちゃったってことは、わたしこのままいつみ先輩と会わなきゃいけないの!?
むりむりむりっ、恥ずかしい心臓止まる……!
「んじゃ、C棟行くぞ」
そんなわたしの心情なんて知らない莉央にそう言われて、しぶしぶとふたりの後ろを歩く。
その途中で「そーいえばよ」と、ふあっと欠伸しながらわたしを振り返る莉央。
「お前、クラスの女と仲良くなったんだな」
「あ、うん……わたしもびっくりしてる」
「よかったじゃねーか。
まだお前の表情ぎこちなかったけどな」
ケラケラと笑う彼。
旅行で、自分の話をしてくれたときから。……莉央はすこし雰囲気が変わったような気がする。
なんていうか、間にあった目に見えない壁がなくなったような感じがする。
こんな風に素の表情で笑ってくれるようになったし、距離を縮められたような気がして、それが嬉しい。



