そんなことを言うから、今度はわたしが固まってしまう。
後ろで女の子たちがきゃーきゃー言ってるけど、それどころじゃない。
抱きしめていいですかってなんだ……っ。
しかも普段敬語なんか使わないから、一瞬ちょっとキュンってしちゃったし……!
「や、まじで……
遅いから様子見に来ただけなのに、こんなかわいい南々ちゃん見れるとかラッキーすぎ……」
「っ、」
甘い。甘すぎる。
何もかも甘すぎて、聞いてるだけのわたしの方が溶けそうになる。あまりにも椛の言葉がストレートすぎて赤くなったわたしの頰を、椛がすっと指で撫でて。
「……こんなかわいくなられたら、
俺がひとりじめしたくなるじゃん」
どうしてくれんの……?と。
囁かれる言葉に、心臓がうるさい。
ひ、ひとりじめしたくなるとか言われても困るんですけど……っ!
もう女の子たちしかいないけど、ここ教室だし……!
「メイク落とそ……?
俺そんなかわいい南々ちゃん、ほかのヤツに見せたくない」
「っ、椛近い……!」
言われ慣れてないのに。甘い言葉ばかり囁かれたら、先輩のことが好きなのに揺れてしまいそうになる。
先輩が同じように言ってくれたら嬉しいなんて、そんなことを考えてしまいそうになる。
「おいコラ椛。
お前連れてこいって言われて、なんで襲おうとしてんだよ馬鹿。……って、お前、」
女の子たちは完全に楽しんじゃって助けてくれないし。
どうしようかと思っていたら、椛の肩越しに聞こえた声。ちらっと顔を出したかと思うと、わたしを見て一瞬目を見張る。
「……へー。
お前が化粧するとそんな感じになんだな」



